人工透析にかかる費用
人工透析にかかる費用の内訳は次のとおりです。
- 初期費用
- 治療費
- 検査・診察費
- その他費用
それぞれ詳しく解説します。
初期費用
人工透析をはじめるとなった場合、すぐに治療に入るわけではありません。
透析治療を受ける場合、透析をするための手術や、透析を導入するための入院が必要となるため、初期費用がかかります。
初期費用は15万~30万円程度です。
治療費
治療費は人工透析治療にかかる費用です。
人工透析は血液透析と腹膜透析の2種類がありますが、血液透析は月々40万円(1回の治療あたり3万円程度)程度、腹膜透析は月々30万~50万円程度となります。
検査・診察費
透析は合併症が起きやすい他、透析が適切に実施しているか定期的に検査する必要があります。
場合によっては透析以外の治療も同時に実施しなければなりません。
そのため、治療費だけでなく、検査費・診察費がかかります。
その他費用
その他の費用としては通院にかかる交通費や、薬が処方されている場合は処方薬の費用などが挙げられます。
人工透析をはじめると、治療費以外にも様々な費用がかかることを理解しておかなければなりません。
人工透析の頻度・治療期間
9割以上の患者から受けている血液透析の場合、週3回ほど専門の医療機関に足を運んで治療を受けなければなりません。
また、人工透析は基本的に治療が中断されることがありません。
そのため、1度治療を開始すると生涯にわたって続けていくことになります。
人工透析をはじめると生活費が足りなくなるリスクがある
人工透析は週3回通院し、治療時間も1回あたり4~5時間と長いため、仕事に大きな支障が生じる可能性もあります。
透析治療のために時短勤務になってしまうと手取り額が少なくなるため、結果として生活費が足りなくなる可能性もゼロではありません。
人工透析は原則障害年金2級に該当する
人工透析は原則、障害年金2級に該当するため、申請すればほぼ確実に障害年金の受給が可能です。
しかし、障害年金を受給するためには、次の3つの要件を満たしておく必要があります。
- 初診日の特定
- 保険料納付状況
- 障害の状態
受給要件を満たしていない場合、人工透析を受けていても障害年金の申請ができないため、注意が必要です。
人工透析の障害年金受給なら申請代行がおすすめ!
原則、障害年金を受給できる人工透析ですが、申請に必要な書類などは他の申請者と同じです。
そのため、「初診日が特定できなくて困っている」「申請書類が多くて分からない」という方は、障害年金専門社会保険労務士に申請を代行してもらうのがおすすめです。
申請の負担をなくしたい、障害年金の等級を少しでも高めたいというのであれば、専門家に障害年金の申請を代行してもらうのがベストです。
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「人工透析 生活費」でよくある質問
「人工透析 生活費」でよくある質問は次の3つです。
- 人工透析をはじめると仕事に支障が出ますか?
- 生活費・医療費の負担を減らす方法はありますか?
- 初診日が分からない場合でも障害年金を受給できる?
各質問についてそれぞれ詳しく解説します。
人工透析をはじめると仕事に支障が出ますか?
人工透析によって仕事に支障が出る可能性はゼロではありません。
しかし、血液透析ではなく、腹膜透析を選択すれば通院を月1~2回にまで減らせます。
また、夜間の睡眠時間で治療を受けられるオーバーナイト透析や、機器を自宅に設置して治療を受けられる在宅透析など、透析療法は多様化しています。
生活費・医療費の負担を減らす方法はありますか?
障害年金以外にも生活費・医療費の負担を減らす方法があります。
まずは特定疾病の医療費助成制度です。
特定疫病の医療費助成制度を活用すれば、自己負担額を1人あたり上限1万円(一定以上の所得がある方は2万円)とできます。
次に障害者手帳です。
障害者手帳1級を持っている場合、税金の免除や駐車・交通の免除・割引などが受けられるため、生活費の負担を軽減できます。
初診日が分からない場合でも障害年金を受給できる?
初診日の特定は障害年金の受給要件の1つであるため、初診日が分からない場合は原則、障害年金の受給はできません。
しかし、なぜ初診日が特定できないか参考資料を添えて提出する「受診状況等証明書が添付出来ない申立書」を準備すれば、初診日が特定できなくても障害年金を受給できる可能性があります。
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「人工透析 生活費」のまとめ
人工透析の医療費助成制度は充実しているため、活用できれば治療費の負担を大幅な軽減が可能です。
しかし、治療費以外にも様々な費用がかかるため、一定以上の費用負担は生じます。
また、治療に取られる頻度・時間が多いため、フルタイムで仕事ができなくなってしまうと手取り額が減少し、生活費が足りなくなる可能性もゼロではありません。
透析患者は原則障害年金2級に該当するため、公的制度も上手く活用しながら、生活費の負担を軽減していくことをおすすめします。
鳥海社会保険労務士事務所は、千葉県流山市を中心に腎疾患や人工透析に関わる障害年金申請代行業務を行っています。
書類作成に自信がない、医師とのやりとりが上手くいっていなくて悩んでいるのであれば、専門家の意見などを交えながら、一緒に障害年金の受給を目指しませんか?
障害年金の受給を検討されている方はお気軽にご相談ください!
参考文献
善仁会グループ-透析を導入した後の医療費について
東京新橋透析クリニック-【障害者手帳で医療費を免除】人工透析と福祉サービス・障害年金を受ける流れ
井口病院-オーバーナイト透析とは?メリットや夜間透析との違いについて解説
岡村記念クリニック-人工透析とは
調布東山病院-年間いくら? 人工透析にかかる費用と助成制度