うつ病がひどくなったら仕事を辞めるべきなのか
うつ病がひどくなったからといって、すぐに仕事を辞める必要はありません。
休職が可能な企業の場合、休職制度を活用して治療に専念することが可能だからです。
そのため、うつ病がひどくなり、仕事を辞めるかどうか悩んでいる場合、まずは休職制度の有無を確認し、上司・人事部に相談することをおすすめします。
また、休職期間中の給与の支払い有無や給与額は企業によって違うため、休職する際はその点も含めて確認しておかなければなりません。
うつ病で仕事を辞めないリスク
うつ病を発症してしまうと、集中力低下や意欲低下などが起こり、ミスが続いたり、欠勤したりしてしまうリスクが高まります。
- うつ症状の悪化
- 人間関係の悪化
- 不眠症・不安症といったその他精神病の併発
- 自殺に発展する
休職期間中に症状の回復がみられないのであれば、無理に復職するのではなく、仕事を辞めることを考えるべきです。
うつ病で仕事を辞める際に生活費を支援してくれる制度6選
仕事を辞めてしまうと収入がなくなるため、経済的負担や将来の不安を招き、うつ病の症状が悪化するリスクもあります。
経済的な不安を軽減するためには、できる限り経済的な負担をなくすことが大切です。
うつ病で仕事を辞める際に生活費を支援してくれたり、経済的な負担を軽減したりしてくれる制度は次の6つです。
- 障害年金
- 傷病手当金
- 精神障害者保健福祉手帳
- 自立支援医療制度
- 労災保険
- 生活保護
それぞれ詳しく解説します。
障害年金
障害年金とは、病気・ケガで生活や仕事に支障が出た際、現役世代でも受け取れる年金制度です。
うつ病も障害年金の受給対象であるため、受給要件さえ満たしていれば、障害年金を受給できる可能性は十分にあります。
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傷病手当金
傷病手当金とは、病気・ケガで仕事ができなくなった際、全国健康保健協会から受け取れる手当のことです。
条件を満たしていれば、最長で1年6ヶ月受け取れますが、この期間を超えると傷病手当金を受け取れなくなるため、注意が必要です。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳とは、障害者手帳の1つで、精神疾患がある人に交付されます。
症状や生活における支障に応じて、1~3級の等級があり、所得金額から等級に応じて税の控除や交通機関の運賃などの割引を受けられます。
自立支援医療制度
自立支援医療制度とは、心身障害を除去・軽減する治療費の自己負担を軽減できる公費負担の医療制度です。
自立支援医療制度を利用しない場合、医療費の自己負担額は3割かつ、上限もありません。
しかし、制度を利用すれば所得額に応じて1ヶ月あたりの最高負担額が設定されている他、最高負担額に到達しない場合には医療負担額が1割となります。
そのため、うつ病の治療によって生じる経済的な負担の軽減が可能です。
労災保険
労災保険とは、業務中・通勤中に起きたことが原因で病気やケガ、障害を患ったり、死亡したりした場合に給付される保険制度です。
うつ病の原因がパワハラや長時間労働、いじめなどが原因の場合、労災保険を申請するのも1つの手段です。
労働基準監督署によってうつ病の原因が業務であると認定された場合は、治療費や休業補償を受けられます。
生活保護
生活保護とは、最低限かつ文化的な生活を保証するための給付制度のことです。
ただし、生活保護は援助してくれる身内などがいない、不動産などの資産を持っていないといった各種要件がありますが、要件を満たしていれば誰でも受給できます。
また、生活保護は受給者の生活を包括的に支援する制度であるため、医療費が無料になるなど、生活費の支給以外にもさまざまなメリットがあります。
うつ病で障害年金を受給するなら障害年金の申請代行がおすすめ!
「うつ病がひどくて申請作業ができない」「障害年金の受給ポイントが分からない」という方は、障害年金専門社会保険労務士に申請を代行してもらうのがおすすめです。
また、専門家がこれまでの知見を活かして診断書内容を添削するため、ポイントを押さえた診断書に仕上げられ、受給確率を向上させられます。
障害年金の申請負担を減らしたい、等級や受給確率を少しでも高めたいのであれば、障害年金の申請代行がおすすめです。
障害年金の申請を自力で行うことは可能?自力で可能な場合と社労士に依頼した方がよい場合も解説!
障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。
うつ 病 仕事 辞める 生活費でよくある質問
「うつ病 仕事 辞める 生活費」でよくある質問は次の3つです。
- 申請したらすぐに障害年金を受給できますか?
- うつ病で障害年金を受給する際の注意点とは?
- うつ病であれば確実に障害年金を受給できますか?
それぞれ詳しく解説します。
1.申請したらすぐに障害年金を受給できますか?
受給申請したからといって、障害年金をすぐに受給できるわけではありません。
障害年金の受給申請後、審査完了までに平均3ヶ月~3ヶ月半程度かかります。
2.うつ病で障害年金を受給する際の注意点とは?
うつ病で障害年金を受給する際の注意点は次の2つです。
- 診察時に生活の状況をありのままかつ詳細に伝える
- 医師の前では自然体で過ごし元気に振る舞わない
うつ病をはじめとする精神疾患は血液検査などと違い、症状の度合いを具体的に数値化できない他、どれだけ重篤なのか見た目では判断できません。
そのため、精神疾患は医師が作成した診断書に記載されている生活状況や能力などが、受給可否を決める大きなポイントとなります。
医師の前で気丈にふるまっていたり、生活の状況をしっかりと伝えてなかったりすると、診断書の内容が実態よりも軽いものとなってしまいます。
【社労士が解説】うつ病で障害年金の受給が難しい理由とその対策について!
うつ病は障害年金の受給が難しいといわれていますがそんなことはありません。「障害年金業務統計」によれば精神障害・知的障害の障害年金受給率は9割を超えているからです。当記事では難しいといわれている理由と対策について解説しています。
3.うつ病であれば確実に障害年金を受給できますか?
うつ病は障害年金の受給対象ではありますが、うつ病を患ったからといって必ず障害年金を受給できるわけではありません。
審査の結果次第では受給対象とはみなされないと判断され、うつ病であっても障害年金の受給を拒否される場合もあるからです。
障害年金の申請を自力で行うことは可能?自力で可能な場合と社労士に依頼した方がよい場合も解説!
障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。
うつ病 仕事 辞める 生活費 まとめ
休業制度がある企業の場合、制度を活用すれば休業してうつ病の治療に専念できます。
そのため、うつ病が悪化したからといってすぐに辞める必要はありません。
しかし、休業期間は給与がない場合が多い他、休業期間内で症状が改善しなければ仕事を辞める必要があるため、生活費の不安は常に付きまといます。
そのような時に活用できるのが障害年金や傷病手当金などの制度です。
支援制度を活用すれば、現金支給や税控除・各種割引を受けられるため、生活費の確保や経済的な負担を軽減できます。
経済的な不安でうつ病を悪化させないためにも、これらの支援を積極的に活用することをおすすめします。
鳥海社会保険労務士事務所は、千葉県流山市を中心にうつ病に関わる障害年金申請代行業務を行っています。
書類作成に自信がない、医師とのやりとりが上手くいっていなくて悩んでいるのであれば、専門家の意見などを交えながら、一緒に障害年金の受給を目指しませんか?
障害年金の受給を検討されている方はお気軽にご相談ください!