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障害年金コラム

【社労士が解説】うつ病で障害年金の受給が難しい理由とその対策について!

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障害年金を受給している人のうち、受給割合が多いのは「精神障害・知的障害」です。その中でも圧倒的に多い精神疾患が「うつ病」ですが、うつ病は障害年金受給が難しい疾患と呼ばれています。

しかし、日本年金機構が公表している「障害年金業務統計(令和2年度決定分)」によれば、精神障害・知的障害の受給決定率は9割を超えているのが実情です。

なぜ、高い受給決定率を誇りながら、うつ病での障害年金受給は難しいといわれているのか。

当記事では「うつ病の障害年金受給が難しい理由」について解説していきます。

うつ病の障害年金受給が難しい理由

うつ病の障害年金受給は難しいといわれています。なぜ、難しいといわれているのか。

難しいといわれている主な理由として次の4つが挙げられます。

  • 診断書に記載されている内容が実際の症状よりも軽い
  • うつ病で働いている
  • 転院によって障害認定日までさかのぼるが難しい
  • 初診日が特定できない

それぞれ詳しく解説します。

診断書に記載されている内容が実際の症状よりも軽い

うつ病の障害年金受給が難しいといわれる1番の理由は「診断書に記載されている内容が実際の症状よりも軽い」からです。

うつ病の症状はMRI検査などの結果のように明確な判断基準がありません。

うつ病の症状がどれだけ重いか、日常生活にどれくらい支障が出ているかは、自分が感じる主訴によって判断されます。

したがって、医師には以下のように細かく症状を伝えることが大切です。

伝え方の一例としては以下が挙げられます。

「風呂には全く入らず、ごみを分別して捨てることができないため、部屋がゴミ屋敷になっている」

「全くやる気が起きず、栄養バランスを考えた献立を決めて、買い物や調理、食事、食器洗い、食器をおさめられない」

しかし、うつ病の方が診察を受けた際に上記のように細かく症状を伝えることはほとんどありません。

これでは、どの程度症状が重いのか、どれくらい日常生活に支障が出ているのか医師に伝わっていないのが実情です。

この状態で診断書を作成してしまうと、日常生活にどれくらい支障が出ているのか記載されていない、記載内容が実際の症状よりも軽い診断書が出来上がってしまうでしょう。

うつ病の重症度や障害年金の受給基準に該当するかどうかは、「日常生活にどれくらい支障が出ているか」で判断されます。

実際の症状よりも軽い、日常生活への支障が記載されていない診断書だと、障害年金の受給は一気に難しくなります。

うつ病で働いている

うつ病などの気分感情障害は見た目だけで重症度合いの判断ができないことから、客観的な判断基準として「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が策定されました。

等級判定ガイドラインにて考慮すべき項目が「就労状況」です。

就労状況の考慮すべき要素によれば、「行わなければならない業務を制限なくできるかどうかの度合い」によって不支給になるか、障害等級が下がるかが判断されるとされています。

したがって、うつ病で働いているからといって「症状が軽い」や「不支給になる」ということはありません。

鳥海所長
ただし、健常者と同じように業務を行えているのであれば、障害年金の受給は難しくなる可能性があります。

転院によって障害認定日までさかのぼるが難しい

「障害認定日」とは、障害の状態を定める日のことです。障害の原因となった病気やケガの初診日から1年6ヶ月を過ぎた日を指します。

障害認定日から1年以上経過してから障害年金の受給申請をする場合、過去にさかのぼって障害年金の請求(遡及請求)を行うために診断書を2枚取得しなければなりません。

障害認定日も今と同じ病院に通院していれば問題ありませんが、転院している場合は転院前の病院に行き、障害認定日当時の診断書を作成してもらう必要があります。

この際、カルテの記載に沿って過去の日付で診断書を作成してもらわなければならないため、カルテに記載されていない内容は診断書に反映ができません。

つまり、障害認定日までさかのぼって診断書を作成するのが難しいというわけです。

うつ病の症状や日常生活への支障が細かく記載されていない場合は、実際の症状が軽い診断書になってしまうため、障害年金の受給基準に該当せず遡及が認められにくくなります。

初診日が特定できない

障害年金の申請を行う上で重要なのは「初診日の特定」です。

初診日を証明するためには「受診状況等証明書」と呼ばれる書類が必要ですが、カルテの保存期間義務は法律上5年となります。

したがって、病歴が長いと受診状況等証明書が発行できず、初診日の特定ができません。

うつ病の方は病歴が長く、複数の病院に転院されることが多いため、初診日の特定ができないケースが多いです。

初診日が証明できなければ初診日を特定できず、障害年金を受給できません。

鳥海所長
初診日が証明できない場合、客観的に初診の証明を行います。

初診日が特定できないからといって障害年金の受給を諦める必要はありません!

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うつ病で障害年金1級を取得できた事例もある

これらの理由から「うつ病の障害年金受給は難しい」といわれています。

しかし、日本年金機構が令和3年に公表した「障害年金業務統計」をみると、精神障害・知的障害での新規受給申請の受給決定率は非常に高いです。

精神障害・知的障害における障害年金の受給決定率は以下のとおりです。

1級 2級 3級 障害手当金 受給決定率
障害基礎年金 13% 79.4% 支給なし 支給なし 92.4%
障害厚生年金 3.5% 48.9% 40.9% 0% 93.3%

引用:日本年金機構-障害年金業務統計(令和2年度決定分)

上記数値を裏付けるように、他の社会保険労務士さんの受給事例でもうつ病で障害年金2級を取得した事例は多いです。

また、「障害年金1級の取得」や「遡及請求」、「永久認定」が認められたケースもあり、全く取得ができないというわけではありません。

先ほど解説したうつ病の障害年金が難しい理由に当てはまらない申請書を作成できれば、受給確率を高められるでしょう。

うつ病の障害認定基準

「障害認定基準」とは、うつ病の症状がどの程度であれば障害年金を受給できるかを定めた基準のことです。

各等級の基準についてみていきます。

【1級】障害の程度

簡単にいえば、うつ病が原因で身の回りのことをほとんど行えない状態のことです。

「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」では以下のように定義されています。

「気分(感情)障害によるものにあっては、高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの」

引用:国民年金・厚生年金保険 障害認定基準-第8節 精神の障害

【2級】障害の程度

うつ病で日常生活に大きな制限が発生している状態のことです。

「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」では以下のように定義されています。

「気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの 」

引用:国民年金・厚生年金保険 障害認定基準-第8節 精神の障害

【3級】障害の程度

日常生活は問題なく行えるものの、うつ病で労働に制限がある状態のことです。

「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」では以下のように定義されています。

「気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの 」

引用:国民年金・厚生年金保険 障害認定基準-第8節 精神の障害

鳥海所長
これらの認定基準にうつ病の日常生活能力の審査結果も加味されながら、支給か不支給か、支給する場合はその等級が決められます。

まとめ

精神障害・知的障害での障害年金受給率は全体の6割に上り、中でも圧倒的に多い精神疾患が「うつ病」です。

そのため、今うつ病で日常生活や仕事ができない、仕事はできても支障があるという場合、あなたは障害年金を受給できる資格を持っています。

うつ病での障害年金受給は難しいといわれますが、受給決定率は決して低いものではありません。

したがって、診断書などの書類をしっかりと作り込めば受給できる可能性は高く、過度に恐れる必要はないでしょう。

鳥海社会保険労務士事務所は、千葉県流山市を中心にうつ病に関わる障害年金申請代行業務を行っています。専門家の意見などを交えながら、一緒に障害年金の受給を目指しませんか?

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参考資料

【障害年金に対応】鳥海社会保険労務士事務所

鳥海社会保険労務士事務所は、「多くのお客様の障害年金申請のお手伝いをさせていただくことで、そのひとつひとつを大きな経験とし、その経験を明日同じような境遇に立っている誰かの手助けに役立てること」を目指してきました。

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