うつ病で障害年金はもらえないの?
日本年金機構が2022年9月に発表した「障害年金業務統計(令和3年度決定分)」の診断書種類別支給件数によれば、精神障害・知的障害の支給件数は8万1,900件で、全体の約66%を占めています。
したがって、うつ病であっても、障害認定基準に該当していれば、うつ病でも障害年金の請求が可能です。しかし、うつ病は障害年金が難しい傷病ともいわれています。
そのため、請求したからといって、必ず障害年金を受給できるわけではありません。
障害年金を受給する際の要件
障害年金の受給要件は次の3つです。
- 初診日が特定できている
- 年金保険料を一定以上納付している
- 障害の状態が認定基準に該当している
うつ病で障害年金を受給するのが難しいといわれる2つの理由
なぜ、うつ病で障害年金を受給するのが難しいのでしょうか。
うつ病で障害年金が難しいといわれる理由として次の2つが挙げられます。
- 診断書の内容が実際の状態よりも軽い
- 働いている=症状軽いと判断される
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.診断書の内容が実際の状態よりも軽い
うつ病の重症度および障害認定基準の該当有無は、診断書をもとに日常生活にどれくらいの支障が出ているかで判断されます。したがって、診断書の内容が障害年金の受給可否を左右するといっても過言ではありません。
気鬱が続き1日中パジャマのままベッドで過ごし、歯磨きもひげ剃りもせず、週1~2日程度しか入浴していません。
自分自身で掃除を行って、整理整頓しゴミを分別できないため、部屋の中がゴミ屋敷になっています。洗濯機を操作して服を洗濯して干したり、畳んだりできないため、同じ服を1週間以上着ています。
しかし、うつ病の診察時、上記のように細かく医師に伝える方はほとんどいません。その結果、障害年金の審査で重要な日常生活への支障が医師に伝わらず、実際の状態よりも軽い内容で診断書が作成されてしまいます。
客観的に判断できる材料がない以上、自身の状況を医師に細かく説明する必要があります。
2.働いている=症状軽いと判断される
働いているから障害年金の受給が認められないというわけではありません。ただ、前述のとおり、うつ病は見た目では重症度が分からない他、血液検査などのように客観的に重症度を判断できる材料がない病気です。
そのため、「働けている=症状が軽い」と判断されてしまう可能性があります。
うつ病で障害年金を申請する際のポイント
うつ病で障害年金を申請する際のポイントとして次の2つが挙げられます。
- 提出前に診断書の内容を確認する
- 病歴・就労状況等申立書を慎重に作成する
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.提出前に診断書の内容を確認する
診断書は医師が作成します。そのため、細かく症状を伝えていないことはもちろん、細かく症状を伝えていたとしても医師によっては、実際の症状よりも軽い内容で記載されることも少なくありません。
実際の症状よりも軽い内容の診断書を提出すると、等級が低くなったり、不支給となったりするリスクが高くなります。
2.病歴・就労状況等申立書を慎重に作成する
病歴・就労状況等申立書とは、発病から現在までの経緯や就労状況、日常生活などを申告する書類です。
こちらは請求者自身が作成書類ですが、内容が診断書の内容とかけ離れている場合、障害年金の受給が認められないリスクが高くなってしまいます。
障害年金の申請を専門家に代行してもらうのも1つの手段
うつ病で障害年金を申請する場合、当記事で紹介したとおり、様々なことに気を配りながら書類を準備する必要があります。そのため、書類の不備があって受給が認められなかったり、思い通りに書類の準備ができないストレスからうつ病の症状が悪化したりするリスクもゼロではありません。
そこでおすすめしたいのが、障害年金の申請代行依頼です。
申請代行を依頼すれば、障害年金の専門家が請求者に代わって、医師に診断書作成の依頼をしたり、必要な書類の作成を行ったりしてくれます。
障害年金の申請負担を減らしたい、障害年金の受給確率を少しでも高めたいのであれば、障害年金の申請代行の活用がおすすめです!
障害年金の申請を自力で行うことは可能?自力で可能な場合と社労士に依頼した方がよい場合も解説!
障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。
まとめ
うつ病も障害年金の受給対象です。障害年金の受給要件を満たしていれば、誰でも受給できる可能性があります。
しかし、うつ病は血液検査などのように客観的に判断できる材料がありません。症状の重さなどは診断書の内容によって判断されるため、診断書に記載されている症状が実際よりも軽度だと、等級が低かったり、不支給になったりするリスクがあります。
そのため、診断書を作成する際は医師にその旨を伝えたり、提出前に内容が実際の症状とかけ離れたりしていないかを確認することが大切です。
鳥海社会保険労務士事務所は、千葉県流山市を中心にうつ病に関わる障害年金申請代行業務を行っています。
書類作成に自信がない、医師とのやりとりが上手くいっていなくて悩んでいるのであれば、専門家の意見などを交えながら、一緒に障害年金の受給を目指しませんか?
障害年金の受給を検討されている方はお気軽にご相談ください!