うつ病で仕事ができない場合は退職すべき?
うつ病で仕事ができないからといって、すぐに退職する必要はないかもしれません。
会社によっては休業制度が設けられており、休業制度を利用すれば、退職することなく、治療に専念できるからです。
そのため、うつ病で仕事を続けるのが難しい場合、まずは勤務している企業に休職制度が設けられているかどうか確認してみましょう。
休業制度が設けられている場合、上司や人事部に休業制度の利用を相談することをおすすめします。
また、休職中の給与有無および、給与額は就業規則によって異なります。
普通に仕事している時と同額の給与が出るケースはまれな他、企業によっては給与がまったく支給されない可能性もゼロではありません。
うつ病で仕事できない際のお金の対処法
うつ病で仕事ができずお金の心配がある場合、各種制度の利用をおすすめします。
制度は大きく分けて「収入や生活にかかるお金を保証する制度」と「医療費助成制度」があり、制度によっては税金が安くなるものもあります。
収入や生活にかかるお金を保証する制度
収入・生活にかかるお金を保証する代表的な制度は次の4つです。
- 障害年金
- 特別障害者手当
- 傷病手当金
- 生活保護
各種制度を具体的にみていきます。
障害年金
障害年金とは、うつ病をはじめとする病気・ケガによって生活・仕事に制限が生じた場合、現役世代も受け取れる国の制度のことです。
障害年金は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。
初診日時点で国民年金に加入している場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入している場合は「障害厚生年金」の受給が可能です。
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特別障害者手当
特別障害者手当は、精神もしくは身体に重度の障害を持ち、日常生活で特別な介護を常時必要とする障害者の負担を軽減するために支給される手当てです。
精神もしくは身体に重度の障害を持ち、日常生活で常に特別な介護を受けなければならない状態にある在宅の20歳以上の人が支給の対象になります。
傷病手当金
傷病手当金は、本人やその家族を経済的にサポートするために設立された給付金です。
業務外の病気・ケガで休職し、給与を受けられない場合に利用できます。
生活保護
生活保護は、病気・ケガなどの理由により仕事ができない方や、働いても収入が少ない方が最低限の生活をできるように現金を支給する支援制度です。
生活保護はうつ病で仕事ができず、土地・貯金などの資産もなく、親族などからの支援を受けられず、他の公的制度が利用できない場合に支給できます。
また、生活保護受給期間は医療費を国が負担してくれるため、お金の心配なく、療養生活を送れます。
利用するかどうかは慎重に判断する必要があります。
うつ病で障害年金を受給するなら専門家の相談がおすすめ!
障害年金を申請する際は、主治医に相談して診断書を作成してもらわなければならず、場合によっては診断書の内容について交渉しなければなりません。
特にうつ病は申請書類の内容が受給可否に直結するため、ポイントを押さえた書類でないと、受給確率が下がってしまいます。
また、様々な申請書類を用意しなければならないため、精神的な負担も大きく、障害年金の申請でうつ病が悪化するリスクもゼロではありません。
「申請する負担を軽減させたい」「障害年金の受給確率を少しでも高めたい」という方は、障害年金専門社会保険労務士に申請を代行してもらうのがおすすめです。
申請代行すれば、障害年金の申請に生じる負担をなくせるため、うつ病が悪化するリスクをなくせます。
また、専門家がこれまでの知見を活かして書類を作成・添削する他、医師への交渉が難しい場合は交渉も代行してくれるため、ポイントを押さえた診断書に仕上げられます。
そのため、ご本人やそのご家族が申請するよりも、障害年金の受給確率を向上させられます。
障害年金の申請を自力で行うことは可能?自力で可能な場合と社労士に依頼した方がよい場合も解説!
障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。
医療助成制度
代表的な医療助成制度は次の3つです。
- 重度心身障害者医療費助成制度
- 自立支援医療制度
- 精神障害者福祉手帳
それぞれ詳しく解説します。
重度心身障害者医療費助成制度
重度心身障害者医療費助成制度は、心身に重度の障害を抱える方の医療費を助成する制度です。
重度心身障害者医療費助成制度の条件および助成内容は都道府県によって異なるため、利用を検討している場合は管轄の窓口に相談することをおすすめします。
自立支援医療制度
自立支援医療制度は、精神疾患の方や身体障害者の医療費に上限を設け、患者にそれ以上の医療費負担がかからないよう公費で負担してくれる制度です。
うつ病などの精神疾患の方や身体障害者手帳を交付されている方かつ、その障害を手術・治療などで根治したり、軽減できたりする方が対象となります。
また、入院費や保険適用外の治療、対象疾患の治療以外の医療費では制度を利用できない他、有効期限が設けられていて必要であれば更新手続きをしなければなりません。
精神障害者福祉手帳
精神障害者福祉手帳は、障害者手帳の1種でうつ病などの精神疾患を抱えている方が取得できる制度です。
制度自体は「精神保健福祉法」により、障害の程度に応じて1~3級までの障害等級があります。
精神障害者福祉手帳の交付を受ければ、障害者控除や特別障害者、自動車税、軽自動車税、自動車取得税の控除が受けられます。
これら控除により対象となる税負担の軽減が可能です。
「うつ病 仕事できない お金」でよくある質問
「うつ病 仕事できない お金」でよくある質問は次の3つです。
- 障害年金の受給手順について教えてください
- 制度を利用しても生活が苦しい場合はどうしたらいいですか?
- うつ病になったら障害年金を必ず受給できますか?
それぞれ詳しく解説します。
1.障害年金の受給手順について教えてください
障害年金の受給手順は次のとおりです。
- 傷病名および初診日の確認
- 初診日時点の年金加入・保険料納付状況の確認
- 必要書類準備・提出
- 受給可否および障害等級の審査・確定
- 障害年金の支給開始
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2.制度を利用しても生活が苦しい場合はどうしたらいいですか?
当記事で紹介した各種制度を利用しても生活が苦しい場合、自立相談事業の利用をおすすめします。
自立相談事業とは、全国の福祉事務所設置自治体が主体となり、官民協業により就労準備支援事業や住宅確保給付金支給など、生活が苦しい人の自立を促進する事業を包括的に実施している組織です。
3.うつ病になったら障害年金を必ず受給できますか?
障害年金を受給するためには、「初診日」「保険料の納付状況」「障害の程度」の3つの要件を満たしておかなければなりません。
すべての要件を満たしていても受給申請後、提出した書類をもとに審査が実施され、そこで受給可否が決定します。
そのため、うつ病だからといって障害年金を確実に受給できるわけではありません。
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障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。
うつ病 仕事できない お金のまとめ
うつ病で仕事ができないからといって、すぐに退職する必要はありません。
休業制度が設けられている場合、制度を活用すれば休業できるため、退職することなく治療に専念できるからです。
しかし、休職期間中は給与が満額支給されるのはまれな他、支給されないケースも少なくありません。
そのような場合、障害年金をはじめとする各種制度を利用することで、お金の不安を軽減できます。
鳥海社会保険労務士事務所は、千葉県流山市を中心にうつ病に関わる障害年金申請代行業務を行っています。
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障害年金の受給を検討されている方はお気軽にご相談ください!