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障害年金コラム

人工透析で障害年金1級は受給可能なのか?受給事例なども踏まえて解説

人工 透析 障害 年金 1 級
鳥海謙一郎
監修者
鳥海社会保険労務士事務所
鳥海謙一郎
一般企業に勤務しながら社会保険労務士の資格を取得。資格取得後は企業顧問や労務管理などの一般的な社労士業務を経験。社労士業務を経験後に独立、鳥海社会保険労務士事務所を開業。現在は企業顧問や障害年金申請代行など、法人・個人問わず幅広い案件に対応。
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人工透析をされている方は原則2級に該当

日本年金機構が公開している障害認定基準「第12節/腎疾患による障害」に、以下のような記載があります。

ア 人工透析療法施行中のものは2級と認定する。
(後略)

引用:日本年金機構-障害認定基準「第12節/腎疾患による障害」

人工透析治療を受けている場合、障害年金の受給要件を満たしていれば、原則2級と認定され、障害年金の受給が可能です。

人工透析で障害年金1級の受給はできない?

「原則2級とみなされるということは、人工透析で障害年金1級は受給できないの?」と不安に思う方も多いでしょう。「第12節/腎疾患による障害」には次のように明記されています。

ア 人工透析療法施行中のものは2級と認定する。
なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無 とその程度、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。

引用:日本年金機構-障害認定基準「第12節/腎疾患による障害」

つまり、症状の度合いや合併症の併発、透析を実施しても腎臓の状態が悪化し、認定基準1級に該当するとみなされた場合は、人工透析で障害年金1級に認定される可能性があります。

人工透析で障害年金を受給する際のポイントは「初診日」

他の傷病と同様、人工透析で障害年金を受給する際も「初診日」が重要です。しかし、初期症状から人工透析に至るまでの期間は非常に長いことが多いです。

そのため、人工透析治療をはじめた段階で障害年金を請求しようとした際、カルテが廃棄されているなどの理由で初診日が特定できないことが少なくありません。

障害年金をスムーズに受給するためには、最初に受診した医療機関や受診実施日を記録し、初診日を明確にしておく必要があります。

鳥海所長
人工透析で障害年金を受給するポイントなどは、下記記事で詳しく解説しておりますので、詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。

人工透析を受けている方は障害年金の受給が可能!受給するポイントや特例について徹底解説!

自力申請が不安であれば社労士に障害年金を代行してもらうのがおすすめ!

「人工透析治療を受けながら申請書類の準備が大変」「自力での申請が不安」「初診日が分からなくて申請を諦めている」という方は、障害年金の専門家に障害年金の申請を代行してもらうのがおすすめです。

鳥海所長
これまでの経験をもとに初診日が分からなくても受給につなげられる可能性がある他、ポイントを押さえた書類作成、申請者に代わって診断書作成を医師に依頼してくれます。

そのため、自力で申請するよりも、障害年金の受給確率を高められるでしょう。

\自力で申請するのが難しい理由と社労士に依頼するメリット/
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障害年金の申請を自力で行うことは可能?自力で可能な場合と社労士に依頼した方がよい場合も解説!

障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。

人工透析で障害年金1級を受給した事例

人工透析で障害年金1級を受給した事例は次のとおりです。

統合失調症と人工透析の併合認定により障害基礎年金1級を受給

両手足麻痺(外出時は車いす)と人工透析の併合認定により障害基礎年金1級を受給

右足膝下切断と人工透析の併合認定により障害基礎年金1級を受給

鳥海所長
上記事例をみても分かるとおり、人工透析で障害年金1級を受給できる可能性はあります。

しかし、人工透析治療単体というよりは、他傷病との併合による認定が多いです。

人工透析 障害年金1級でよくある質問

「人工透析 障害年金1級」でよくある質問は次の4つです。

  1. 事後重症請求とは何ですか?
  2. 人工透析を受けていない腎疾患では障害年金を受給できない?
  3. 仕事しながら人工透析を受けていたら受給は難しい?
  4. 70歳で人工透析を受けはじめたけど障害年金の受給は可能?

それぞれ詳しく解説していきます。

1.事後重症請求とは何ですか?

障害年金の事後重症請求とは、障害認定日時点では症状が軽度で障害等級に該当しなかったものの、その後に症状が悪化して障害等級に該当した際に障害年金を請求することです。

糖尿病は時間をかけて進行するため、発症から1年6ヶ月以内に人工透析を開始することはほとんどありません。そのため、人工透析で障害年金を請求する際は、事後重症請求で行うことが多いです。

ただ、事後重症請求は請求月から翌月分からの支払いとなり、請求時期が遅れると遅れた分の障害年金はもらえません。

また、「請求できるのは65歳の誕生日の前々日まで」「老齢基礎年金を繰り上げ受給していると事後重症請求はできない」といった条件もあるため、注意が必要です。

2.人工透析を受けていない腎疾患では障害年金を受給できない?

人工透析を受けていない腎疾患でも、症状が障害認定基準に該当する場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

そのため、人工透析を受けていないからといって障害年金の受給を諦める必要はありません。

3.仕事しながら人工透析を受けていたら受給は難しい?

人工透析を受けている方は仕事をしていても障害年金を受給できます。

ただ、初診日が20歳前の場合、所得制限があるため、注意が必要です。

4.70歳で人工透析を受けはじめたけど障害年金の受給は可能?

65歳以降は障害認定日請求のみとなり、障害年金の事後重症請求ができません。そのため、障害認定日の時点で人工透析を受けていない場合、65歳以上の方は障害年金申請が行えません。

鳥海所長
また、障害認定日の時点で人工透析を受けていて障害認定日請求ができたとしても、老齢年金を受給している場合は老齢年金か障害年金どちらか1つを選択する必要があります。

障害年金を選択して障害認定日請求をする場合、すでに受給している老齢年金の返還などの各種調整が必要です。

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障害年金の申請を自力で行うことは可能?自力で可能な場合と社労士に依頼した方がよい場合も解説!

障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。

まとめ

人工透析を受けている場合、障害年金の受給要件さえ満たしていれば申請後、原則障害年金2級に認定されます。ただ、原則2級だからといって無条件で障害年金2級になるわけではありません。

症状の重さや合併症の併発などによって障害認定基準1級に該当する場合は障害年金1級に認定される可能性もあります。少しでも障害等級を高めたいのであれば、障害年金の専門家に助言を受けることをおすすめします。

鳥海所長

鳥海社会保険労務士事務所は、千葉県流山市を中心に腎疾患や人工透析に関わる障害年金申請代行業務を行っています。

書類作成に自信がない、医師とのやりとりが上手くいっていなくて悩んでいるのであれば、専門家の意見などを交えながら、一緒に障害年金の受給を目指しませんか?

障害年金の受給を検討されている方はお気軽にご相談ください!

参考文献

日本年金機構-障害認定基準「第12節/腎疾患による障害」

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