高次脳機能障害で障害年金を検討している方の多くが、まず気になるのは「実際にいくらもらえるのか」という点ではないでしょうか。
障害年金の受給額は等級だけで決まるものではなく、初診日に加入していた年金制度や家族構成、さらには年度ごとの改定によっても変わります。
そのため、インターネット上の金額だけを見て判断してしまうと、実際の受給見込みと差が生じることもあります。
この記事では、高次脳機能障害の障害年金がどのように計算されるのか、年度改定の仕組みも含めて解説します。
障害年金とは?
障害年金とは、病気やけがによって生活や仕事に制限が生じた場合に支給される公的年金制度です。
年齢に関係なく、現役世代の方でも対象となる点が大きな特徴です。
障害年金は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分かれており、加入している年金制度によって受給できる種類が異なります。
障害年金の受給要件
障害年金を受給するためには、主に次の3つの要件を満たす必要があります。
- 初診日
- 保険料納付
- 障害の程度
いずれか1つでも満たしていない場合は受給できないため、事前の確認が非常に重要です。
高次脳機能障害の障害年金はいくら?
高次脳機能障害で障害年金を受給できる場合、支給額は「等級」と「初診日時点で加入していた年金制度」によって決まります。
日常生活や就労への支障の程度が等級として評価され、その結果によって受給額が変わります。
障害基礎年金はいくらもらえる?(1級・2級の金額)
初診日に国民年金に加入していた場合は、「障害基礎年金」の受給対象です。
障害基礎年金の金額は定額で、等級によって次のように分かれます。
- 1級:2級の約1.25倍
- 2級:基準額
また、18歳到達年度末までの子どもがいる場合には「子の加算」がつくため、家族構成によって実際の受給額は変わります。
障害厚生年金はいくらもらえる?(1級~3級の違い)
初診日に厚生年金に加入していた場合は、「障害厚生年金」の対象です。
障害厚生年金は報酬比例の仕組みとなっており、これまでの給与額や加入期間によって金額が変わります。
- 1級:報酬比例額 × 1.25 + 配偶者加給年金
- 2級:報酬比例額 + 配偶者加給年金
- 3級:報酬比例額(最低保障額あり)
さらに、1級・2級に該当する場合は、障害基礎年金もあわせて支給されます。
就労している場合、支給額に影響はある?
原則として、障害年金は収入額だけで直ちに減額される制度ではありません。
ただし、就労状況は「障害の程度」の判断材料になります。
どの程度の支援や配慮が必要か、実質的にどの程度働けているのかが等級認定に影響するため、等級が変われば受給額も変わる可能性があります。
実際の受給額はどのように決まるのか
最終的な受給額は、次の要素を総合して決まります。
- 等級(1級・2級・3級)
- 初診日時点で加入していた年金制度
- 厚生年金加入期間と報酬額
- 子どもや配偶者の有無
高次脳機能障害は外見から分かりにくい障害であるため、診断書の内容によって等級判断が左右されることも少なくありません。
「自分の場合はいくらになるのか」「働いているけれど対象になるのか」といった疑問がある場合は、個別の状況を踏まえた確認が重要です。
障害年金の受給額は年度によって変わる
障害年金の受給額は、一度決まったらずっと同じ金額が続くわけではありません。
毎年度、物価や賃金の動向に応じて改定が行われるため、支給額は年度ごとに見直されます。
これは高次脳機能障害に限らず、障害年金を受給するすべての方が改定の対象です。
なぜ年度ごとに金額が変わるのか
公的年金は、物価変動や賃金水準の変化を反映させる仕組みが採用されています。
物価が上昇すれば増額される可能性があり、逆に経済状況によっては据え置きや調整が行われることもあります。
そのため、昨年の受給額が、今年の受給額になるとは限りません。
最新年度額を確認することが重要
インターネット上には過去年度の金額が掲載されている場合もありますが、実際に申請を検討する際には最新年度の金額を確認することが大切です。
最新の受給額は年度がはじまる4月から適用され、最初の振込はその年の6月に4・5月分がまとめて支払われます。
細かい振込スケジュールは下記ページに掲載されている最新情報をご覧ください。
「高次脳機能障害 障害年金 いくら」でよくある質問(FAQ)
「高次脳機能障害 障害年金 いくら」でよくある質問をまとめました。
高次脳機能障害で障害年金の申請を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
Q1. 高次脳機能障害では月額いくらもらえますか?
受給額は等級(1級・2級・3級)と、初診日に加入していた年金制度によって異なります。
基礎年金のみの場合は定額、厚生年金加入歴がある場合は報酬比例で金額が決まります。
Q2. 働いていても障害年金はもらえますか?
就労していても受給できる可能性はあります。
ただし、どの程度の支援や配慮が必要かによって等級が判断され、その結果として受給額が変わります。
Q3. 初診日が会社員だった場合、いくら変わりますか?
初診日に厚生年金へ加入していた場合は、障害厚生年金が加算されます。
そのため、国民年金のみの場合より受給額が高くなる可能性が高いです。
Q4. 子どもや配偶者がいるといくら増えますか?
一定の条件を満たせば、子の加算や配偶者加給年金が支給されます。
そのため、家族構成によって年間の受給額は大きく変わるでしょう。
まとめ
高次脳機能障害の障害年金について「いくらもらえるのか」と調べていると、年度や制度によって金額が変わると知り、不安に感じる方もいらっしゃいます。
実際、障害年金の受給額は等級や加入していた年金制度だけでなく、毎年度の改定によっても変動します。
物価や賃金の動向を反映して見直しが行われるため、過去の金額がそのまま続くわけではありません。
今回のポイントは、次のとおりです。
- 障害年金の受給額は毎年度改定されること
- 障害基礎年金・障害厚生年金ともに年度の影響を受けること
- 厚生年金加入歴がある場合は、報酬や加入期間によって個別に金額が決まること
- 「一律いくら」とは言えず、最新年度額と個別条件を踏まえて確認する必要があること
高次脳機能障害の障害年金は、制度の仕組みと年度ごとの改定を理解したうえで見込み額を把握することが重要です。
「自分の場合はいくらになるのか分からない」「最新の金額で計算するとどうなるのか知りたい」と感じた段階で、早めに障害年金に詳しい社会保険労務士へ相談することをおすすめします。



