
「うつ病になってお金がしんどいけど生活を保障してくれる制度ってあるの?」
うつ病で仕事を休まざるを得なくなったとき、真っ先に頭をよぎるのはお金のことではないでしょうか。
うつ病の方が利用できる公的な給付制度はあります。
この記事では、うつ病の方が利用できる給付制度について解説します。
うつ病でもらえるお金——4つの制度の全体像
| 制度 | 受け取れる金額の目安 | 対象 |
| 傷病手当金 | 月収の約2/3・最長1年6か月 | 会社員・公務員 |
| 障害年金 | 年間78〜240万円 | 初診日に年金加入 |
| 生活保護 | 生活費・家賃など実費相当 | 資産・収入なし |
| 自立支援医療 | 医療費の自己負担が1割に | 精神科に通院中 |
傷病手当金——会社員が休職中にもらえるお金
傷病手当金は、健康保険(協会けんぽ・健保組合)に加入している会社員や公務員が、病気やケガで仕事を休んだときに受け取れる給付金です。
【受給額と受給期間】
- 金額:標準報酬日額の3分の2×休業日数
- 期間:支給開始日から通算1年6か月
月収30万円の方であれば、月約20万円を最長18か月間受け取れる計算になります。
【受給の条件】
- 業務外の病気・ケガで働けない状態
- 仕事に就くことができない状態
- 連続して3日を含む4日以上仕事を休んでいる(待期3日間)
- 休業期間中、給与の支払われない状態
自営業・フリーランス・国民健康保険加入者は対象外です。
自立支援医療——通院費の自己負担を1割に抑える
精神科・心療内科に通院している方が利用できる制度です。
通常3割の医療費自己負担が1割に軽減されます。
さらに所得に応じて月の上限額が設定されるため、通院が長期にわたる方ほど恩恵が大きくなります。
【申請の流れ】
- 主治医に制度利用の旨を伝える
- 申請書などの必要書類を準備する
- 住所地の市区町村窓口に申請する
- 受給者証が交付されたら、指定の医療機関で提示する
精神科への通院開始と同時に申請できます。
うつ病の診断を受けたらまず申請しておくべき制度のひとつです。
③障害年金——長期的に最も重要なお金
傷病手当金は最長1年6か月で終わります。
その後の生活を支える柱になるのが障害年金です。
【うつ病は障害年金の対象】
うつ病は障害年金の対象疾患です。
受給要件を満たしていれば申請し、受給できる可能性があります。
また、障害年金には障害基礎年金と、障害厚生年金の2種類があり、初診日の加入状況によって受給できる年金タイプが決まります。
棲み分けは主に次のとおりです。
- 初診日時点で国民年金に加入している場合は障害基礎年金
- 初診日時点で厚生年金に加入している場合は障害厚生年金
さらに障害基礎年金は1~2級しか受給できませんが、障害厚生年金は1~3級および、障害手当金を受給できます。
【受給額の目安】
障害年金の受給額は、等級によって変動する他、毎年価格改定が行われるため、受給額が変動するのも障害年金の特徴です。
また、障害厚生年金は障害基礎年金に上乗せ年金が加算されて受給されるため、同じ等級でも障害基礎年金と障害厚生年金では毎月の受給額に違いがあります。
詳しい制度内容は下記の記事をご覧ください。
【「初診日」の落とし穴】
障害年金の初診日は「精神症状についてはじめて医師の診察を受けた日」です。
例えば、2025年9月30日にA病院に来院し「眠れない・気分が落ち込む」と相談したところ、B病院に紹介状をもらった。
紹介状をもって2025年10月1日にB病院に来院してうつ病と診断され、現在も通院しているとしましょう。
この場合、初診日はB病院に来院した2025年10月1日ではなく、A病院に相談した2025年9月30日が初診日です。
「精神科にかかったのは最近だけど、それ以前から内科でメンタルの相談をしていた」というケースでは、内科の受診日が初診日になることがあります。
初診日の確認が複雑な場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
④生活保護——他の制度では生活が維持できないときの最終手段
生活保護は、収入・資産・援助してくれる親族がなく、他の制度を最大限活用しても生活を維持できない場合の制度です。
【障害年金と生活保護は同時受給できる】
「どちらか一方しか受けられない」と思っている方もいますが、同時受給は可能です。
ただし、生活保護費から障害年金分が差し引かれるため、合計受給額が大きく変わるわけではありません。
生活保護よりも障害年金を先行して申請することで、生活保護の受給額が増える・不要になるケースがあります。
そのため、まず障害年金の申請を検討しましょう。
よくある質問
Q1.仕事をしていても障害年金はもらえますか?
「就労中=不支給」ではありません。
障害者雇用枠・短時間勤務・ジョブコーチ支援を受けながら働いている場合、受給要件を満たしていれば受給できる可能性があります。
Q2.傷病手当金が終わったあと、何も受け取れなくなりますか?
傷病手当金終了後に障害年金を申請するルートがあります。
ただし、障害年金の申請には初診日から1年6か月後の障害認定日を待つ必要がある他、受給審査に2~3ヶ月程度かかります。
そのため、傷病手当金の受給中から申請の準備を始めることをおすすめします。
Q4.障害者手帳がないと障害年金は申請できませんか?
申請できます。
障害年金と障害者手帳は別の制度であり、手帳の有無は申請要件に含まれていません。
Q5.自力で申請することはできますか?
可能です。
ただし、等級の判定に直結する「診断書の日常生活能力の記載」と「申立書との整合性」の2点は、専門知識がないと見落としやすいポイントです。
たとえば診断書の7項目(食事・金銭管理・対人関係など)で実態より軽い評価がついていても、提出後に修正を求めることは原則できません。
「書き直しがきかない」という性質上、最初から専門家と進める方が結果として近道になるケースが多くあります。
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障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。
まとめ——まず「無料相談」から始めよう
- 傷病手当金は会社員が休職中に受け取れる給付。1年6か月、月収の約2/3
- 自立支援医療で通院費を1割負担に抑えられる
- 長期的な収入の柱は障害年金。年間78〜240万円を受給できるケースがある
- 生活保護は最終手段だが、障害年金との同時受給も可能
「自分はどの制度を使えるのか」「申請の順番はどうすればいいのか」——まずは専門家への無料相談から始めてみてください。





