
事故や病気のあと、別人のようになってしまった、言葉がうまく出なくなった、怒りっぽくなった、昨日のことが思い出せない。
そんな状況を前に「障害年金という制度があるらしい」とたどり着いた方へ。
高次脳機能障害は、障害年金の対象です。 受給できるかどうかを分けるのは病名ではなく、日常生活にどれだけ支障が出ているか -そしてそれを診断書に正確に反映できるかにかかっています。
高次脳機能障害とは
高次脳機能障害は、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)や交通事故などで脳がダメージを受けたあとに生じる認知機能の障害です。
高次脳機能障害の主な症状
- 記憶障害:新しいことを覚えられない。さっきの話を繰り返し質問する。
- 注意障害:集中が続かない。複数のことを同時にこなせない。
- 遂行機能障害:段取りが立てられない。料理の手順がわからなくなる。
- 社会的行動障害:些細なことで激しく怒る。感情のコントロールができない。
これらとは別に失語症(言葉を話す・理解する機能の障害)が残るケースもあります。
失語症は審査上の扱いが異なるため、後のセクションで詳しく触れます。
仕事・日常生活への影響
高次脳機能障害は「見えない障害」です。
外見からはまったく分からないため、本人が「できます」と言っても、実態は家族の見守りなしには食事も着替えもできない状態ということが珍しくありません。
高次脳機能障害で障害年金はもらえる?
高次脳機能障害は障害年金の対象疾患です。
そのため、受給要件を満たしていれば、障害年金を受給できる可能性があります。
障害年金を受給できる要件
受給には3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 初診日要件:原因となった病気・ケガで初めて受診した日に年金に加入していたこと
- 保険料納付要件:初診日前に一定期間の保険料を納付していたこと
- 障害の程度:障害認定日(初診日から1年6か月後)に一定の等級に該当すること
初診日の特定——病気か事故かで起点が変わる
脳梗塞などの病気が原因の場合、初診日は「発症して最初に受診した日」です。
交通事故が原因の場合は「事故後に最初に病院へ行った日(救急搬送された日を含む)」になります。
注意が必要なのは、整形外科を最初に受診して後から精神科・脳神経外科に移行したケースです。
この場合の初診日は最初の整形外科の受診日です。
間違えると書類をすべて作り直すことになるため、早めに確認しておきましょう。
等級の認定基準
| 等級 | 認定基準の目安 |
| 1級 | 高度の認知障害・人格変化が著しく、常時援助が必要 |
| 2級 | 認知障害・人格変化が著しく、日常生活が著しく制限される |
| 3級 | 認知障害は著しくないが精神神経症状があり、労働が制限される |
3級は障害厚生年金にのみ存在します。 初診日に国民年金加入者だった方(自営業・無職・学生など)は3級の対象外です。
手足の麻痺も残っている場合——複数診断書で等級が上がる可能性
脳卒中や交通事故では、高次脳機能障害と同時に手足の麻痺が残ることがあります。
このとき「精神の障害」と「肢体の障害」の診断書を2枚提出することで、併合認定により等級が上がるケースがあります(例:各3級相当→合わせて2級認定)。
「精神の診断書しか取っていない」という方は、肢体の診断書提出が有効か主治医または社会保険労務士に確認しましょう。
失語症がある場合——「言語機能の障害」診断書が有利になる
失語症は「精神の障害」ではなく、「言語機能の障害」として別の基準で認定されます。
精神の診断書と組み合わせて併合認定されるため、単独で精神の診断書だけを出すより等級が有利になる可能性があります。
失語症があるのに精神の診断書1枚だけで申請しているケースは少なくありません。
症状がある方は必ず担当医か社会保険労務士に確認してください。
高次脳機能障害で障害年金を受給するなら専門家の申請代行がおすすめ!
「障害年金の受給確率を少しでも高めたい」「申請する負担を軽減させたい」という方は、障害年金専門社会保険労務士に申請を代行してもらうのがおすすめです。
相談時にしっかりとヒアリングをするため、相談者様の状況に最適な内容で受給申請することが可能です。

専門家に相談すれば、申請に必要な各種書類の作成を代行してくれる他、診断書内容を添削してくれるため、素人が申請するよりも受給確率を向上させられます。
また、医師との交渉ができないという場合は、申請者本人に代わって、医師に診断書作成を依頼してくれます。
障害年金の等級や受給確率を少しでも高めたいのであれば、専門家に障害年金の申請を代行してもらうのがベストです。
審査を左右する「診断書」の3つの落とし穴
診断書に実態が反映されていなければ、どれだけ症状が重くても審査員には伝わりません。
落とし穴① 診察室で「できます」と答えてしまう
医師に「ご飯は自分で食べられますか?」と聞かれ、「はい、できます」と答えてしまう。
でも実態は、家族が用意して声をかけなければ、そのまま食べずにいる場合もあります。
このように、高次脳機能障害では病識が薄く、本人が困っている自覚を持てないことがあります。
診察に家族が同席し、「先週困った場面」をメモにまとめて持参することが、実態を診断書に反映させる最も有効な方法です。
落とし穴② 「日常生活能力の判定」欄の過少評価
診断書裏面の7項目(食事・身辺の清潔保持・金銭管理・通院・対人関係・安全保持・社会性)が審査の核心です。
「2(時々助言が必要)」と「3(助言があればできる)」の違いひとつで等級が変わることがあります。
提出前に家族が内容を確認しましょう。
落とし穴③ 申立書と診断書の内容が矛盾している
就労中の場合、診断書に「日常生活が著しく制限される」と書かれていても、申立書に「一般企業でフルタイム勤務」とだけ記載されると審査で矛盾が生じます。
就労中の方は「どのような配慮を受けながら働いているか」を必ず申立書に記載してください。
「高次脳機能障害 年金」でよくある質問(FAQ)
「高次脳機能障害 年金」でよくある質問をまとめました。
受給を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Q1. 診断書を書く医師は精神科でなければなりませんか?
いいえ。
脳神経外科・神経内科・リハビリテーション科の医師でも診断書を作成できます。
「精神科に通っていないから申請できない」という誤解は多いので、現在のかかりつけ医に相談してみましょう。
Q2. 障害者手帳がないと申請できませんか?
申請できます。障害年金と障害者手帳は別の制度です。
手帳の有無は申請要件に含まれていません。
Q3. 手帳の等級が3級でも、障害年金2級をもらえますか?
もらえるケースがあります。手帳の等級と障害年金の等級は別の基準で判定されます。
手帳3級でも年金2級に認定された事例は多数あります。
Q4. 家族の代わりに申請手続きを進められますか?
進められます。
本人が手続きに困難を感じる場合、家族が代理で書類収集・記入・提出を行えます。
Q5. 申請を自分でするのは難しいですか?
難しい部分があります。初診日の特定・診断書への実態反映・申立書との整合性確認と、複数の専門的なやりとりが必要です。
そのため、障害年金専門の社会保険労務士への相談をおすすめします。
初回相談は無料の事務所がほとんどです。
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障害年金の申請を自力で行うことは可能?自力で可能な場合と社労士に依頼した方がよい場合も解説!
障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。
まとめ
- 高次脳機能障害は障害年金の対象。受給の鍵は診断書に実態をどれだけ正確に反映できるか
- 手足の麻痺が残っている場合は複数診断書の併合認定、失語症がある場合は言語機能の診断書の追加で等級が有利になる可能性がある
- 診断書は一度提出すると修正が難しい。最初から専門家と進めることが受給への近道
高次脳機能障害で障害年金を受給するなら専門家の申請代行がおすすめ!
「障害年金の受給確率を少しでも高めたい」「申請する負担を軽減させたい」という方は、障害年金専門社会保険労務士に申請を代行してもらうのがおすすめです。
相談時にしっかりとヒアリングをするため、相談者様の状況に最適な内容で受給申請することが可能です。

専門家に相談すれば、申請に必要な各種書類の作成を代行してくれる他、診断書内容を添削してくれるため、素人が申請するよりも受給確率を向上させられます。
また、医師との交渉ができないという場合は、申請者本人に代わって、医師に診断書作成を依頼してくれます。
障害年金の等級や受給確率を少しでも高めたいのであれば、専門家に障害年金の申請を代行してもらうのがベストです。





