
「何級に認定されるのか、基準がよくわからない」——高次脳機能障害の申請でこの疑問を持つ方は少なくありません。
この障害は外見から判断できないため、実際の困りごとが審査に反映されにくいという特徴があります。
等級の認定基準・受給額の目安・申請で注意すべきポイントをまとめました。
高次脳機能障害について
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血といった脳卒中や、交通事故による脳へのダメージが原因で生じる認知機能の障害です。
【主な症状】
- 記憶障害:たった今聞いた話を忘れる。同じことを何度も質問してしまう
- 注意障害:一つのことに集中できない。作業中にミスが増える
- 遂行機能障害:物事の順番が組み立てられない。料理が途中で止まってしまう
- 社会的行動障害:ちょっとしたことで激しく怒る。自分の感情をうまくコントロールできない
症状の出方や程度には個人差があり、上記以外の症状が現れるケースもあります。
「見えない障害」と呼ばれる所以はここにあります。
見た目では気づかれないため、本人は「大丈夫」と言っていても、実際には家族が付き添わなければ食事や着替えもままならない——そのギャップが審査でも問題になりやすいのです。
1・2・3級の認定基準
日本年金機構の基準をもとに、高次脳機能障害に当てはめた場合の目安を整理します。
1級
認知障害や人格変化が非常に重く、日常のあらゆる場面で誰かの介助や見守りが欠かせない状態。
一人での生活が成り立たないレベルが目安です。
2級
認知障害・人格変化が顕著で、生活全般に大きな制限がある状態。
食事・身の回りの管理・外出・お金の管理など、多くの場面で家族や支援者のサポートが必要です。
単身生活が難しい水準が目安になります。
3級(厚生年金加入者のみ)
認知障害そのものは重くないものの、精神神経症状により通常の就労が困難な状態。
短時間勤務や職場の特別な配慮がないと継続就労できない水準です。
なお、3級は障害厚生年金にしか存在しません。
初診日時点で国民年金加入だった方(自営業・無職・学生など)は、この等級の対象外となります。
等級別の受給額目安
| 等級 | 年間受給額の目安 | 備考 |
| 1級(基礎年金) | 約100万円〜 | 障害基礎年金1級 |
| 2級(基礎年金) | 約78万円〜 | 障害基礎年金2級 |
| 3級(厚生年金のみ) | 約58万円〜 | 最低保証額あり |
初診日に厚生年金に加入していた場合は、基礎年金に報酬比例部分が上乗せされるため、実際の受給額はこれより高くなるケースがほとんどです。
配偶者や子どもがいる場合はさらに加算があります。
詳しい受給額については、こちらの記事をご参照ください。
高次脳機能障害の障害年金申請でお悩みの方へ
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申請代行サービスを利用するデメリット
申請代行を依頼する場合、下記のようなデメリットがあります。
- 着手金や事務手数料などの初期費用がかかる(初期費用は申請が不支給となった場合でも返金されないことが一般的)
- 依頼する社労士によって対応の質や業務範囲が異なる
- 手続きの詳細を把握しづらくなるため、手続きの流れを把握したい方には不向き
- 自分でできる部分が多い場合、費用に対して得られるメリットが少ない場合がある
申請代行サービスを利用するメリット
一方、申請代行サービスを利用するメリットは次のとおりです。
- 成果報酬型のため、受給が決定するまで報酬を支払いする心配がありません
- 個人申請よりも高い認定率で、安心して任せられます
- 申請後のアフターフォローや更新サポートも充実
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診断書が1枚では損をする「併合認定」
手足の麻痺も残っている方へ
脳卒中や交通事故の後遺症として、高次脳機能障害と手足の麻痺が同時に残るケースがあります。
こうした場合、「精神の障害」と「肢体の障害」それぞれの診断書を提出することで、併合認定により等級が上がることがあります。
(例)精神3級相当+肢体3級相当 → 合わせて2級に認定
精神の診断書だけで申請している方は、肢体の診断書が必要かどうかを主治医か社会保険労務士に確認してみましょう。
失語症のある方へ
失語症は「精神の障害」としてではなく、「言語機能の障害」という別の区分で審査されます。
精神の診断書と組み合わせて併合認定が行われるため、精神の診断書1枚だけで申請するよりも有利な等級になる可能性があります。
等級が下がりやすい3つの落とし穴
落とし穴① 診察で「大丈夫です」と伝えてしまう
「食事はできますか?」に「はい」と答えてしまう——ところが実際は、家族が声をかけなければそのまま食べずにいることも珍しくありません。
高次脳機能障害は病識が薄いケースが多く、本人が困りごとを自覚できていないことがよくあります。
家族が診察に同席し、「先週実際に困った場面」をメモにまとめて医師に伝えることが、実態を診断書に落とし込む最善の方法です。
落とし穴② 日常生活能力の評価が実態より軽くなる
診断書裏面には、食事・身の回りの清潔保持・金銭管理・通院・対人関係・安全の保持・社会性の7項目があります。
「2(ときどき助言が必要)」か「3(助言があればできる)」か——この一段階の差が等級に直結することがあります。
提出前に家族が内容を確認できると安心です。
落とし穴③ 就労の実態が正確に伝わらない
「一般企業でフルタイム勤務」とだけ書かれていると、審査員には「十分に働けている」と読まれてしまいます。
どのような配慮を受けながら就労しているかを、診断書と申立書の両方に具体的に書くことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 等級はどうやって決まりますか?
診断書の「日常生活能力の程度・判定」が審査の中心になります。
「病歴・就労状況等申立書」の内容も参照されるため、両書類の内容に矛盾がないことが重要です。
Q2. 障害者手帳3級でも年金2級をもらえますか?
もらえるケースがあります。
手帳の等級と年金の等級はそれぞれ別の基準で判定されます。手帳3級でも年金2級に認定された方は多くいます。
Q3. 最初から1級を目指すべきですか?
申請の前提は、実態を正確に伝えることです。
実情以上の内容を書くと書類全体の信頼性が下がります。「正確に書く」ことを優先した結果として等級が決まるため、まずは実態の記録に集中しましょう。
Q4. 精神科以外でも診断書を書いてもらえますか?
書いてもらえます。
脳神経外科・神経内科・リハビリテーション科の医師も対応可能です。「精神科に通っていないと申請できない」と思い込んでいる方もいますが、これは誤解です。
現在のかかりつけ医に相談してみてください。
Q5. 自力で申請することはできますか?
できます。
ただし、等級の判定に直結する「診断書の日常生活能力の記載」と「申立書との整合性」の2点は、専門知識がないと見落としやすいポイントです。
診断書は提出後の修正が原則できないため、書き直しのきかない一発勝負という性質上、最初から専門家と進める方が近道になるケースが多くあります。
障害年金専門の社会保険労務士への相談は、初回無料の事務所がほとんどです。
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障害年金の申請を自力で行うことは可能?自力で可能な場合と社労士に依頼した方がよい場合も解説!
障害年金の申請を自力で行うことは可能です。しかし、障害年金の申請は専門性が高いため、知識がない方がイチから申請しようとすると手間や労力がかかる他、受給確率が下がるリスクがあります。当記事では自力申請が難しい理由や自力申請した方がよい場合などについてみていきます。
まとめ
- 1・2・3級の判断軸は「常時援助が必要か/日常生活が著しく制限されるか/労働に制限があるか」
- 手足の麻痺や失語症がある場合は、複数の診断書を組み合わせた併合認定で等級が上がる可能性がある
- 「診察での過小申告・日常生活能力の過少評価・就労実態の不十分な記載」の3点が、等級を下げる主な原因
「自分は何級に当たるのか」「どうすれば実態を正しく伝えられるか」——まずは専門家への無料相談からはじめてみてください。
高次脳機能障害で障害年金を受給するなら専門家の申請代行がおすすめ!
「障害年金の受給確率を少しでも高めたい」「申請する負担を軽減させたい」という方は、障害年金専門社会保険労務士に申請を代行してもらうのがおすすめです。
相談時にしっかりとヒアリングをするため、相談者様の状況に最適な内容で受給申請することが可能です。

専門家に相談すれば、申請に必要な各種書類の作成を代行してくれる他、診断書内容を添削してくれるため、素人が申請するよりも受給確率を向上させられます。
また、医師との交渉ができないという場合は、申請者本人に代わって、医師に診断書作成を依頼してくれます。
障害年金の等級や受給確率を少しでも高めたいのであれば、専門家に障害年金の申請を代行してもらうのがベストです。





