高次脳機能障害の受給事例
高次脳機能障害の受給事例として以下が挙げられます。
脳挫傷での高次脳機能障害で障害基礎年金2級を受給
脳出血での高次脳機能障害で障害厚生年金2級を受給
脳腫瘍での高次脳機能障害で障害基礎年金1級を受給
ただし、重症度合いや他障害が生じている場合は障害年金1級を受給できる可能性があります。
高次脳機能障害で障害年金の受給は難しい?
脳血管疾患は日本人の死因上位トップ3にランクインし、発症者の多い病気です。
そのため、高次脳機能障害関連の申請数が多く、事例も豊富なことから、受給ハードルはそこまで高くありません。
高次脳機能障害で障害年金の受給が難しいといわれる理由
受給ハードルは高くないにもかかわらず、高次脳機能障害の受給が難しいといわれるのはなぜなのでしょうか?高次脳機能障害で障害年金の受給が難しいといわれる理由は主に次の2つです。
- 他の後遺症に比べて重篤な症状どうか判断しにくい
- 後遺症によって必要な診断書が異なる
それぞれ詳しく解説します。
1.他の後遺症に比べて重篤な症状どうか判断しにくい
高次脳機能障害で障害年金の受給が難しいといわれる1番の理由は、他の後遺症に比べて重篤な症状かどうか判断しにくいからです。身体麻痺や言語障害などの後遺症は、症状の重篤度を客観的にみてある程度判断できます。
一方、高次脳機能障害は「記憶障害」や「注意障害」などが主な症状として現れるため、客観的にみて障害かどうか判断しにくかったり、重篤度が分かりづらかったりします。
2.症状によって必要な診断書が異なる
障害年金の受給可否および等級決定は申請された書類審査です。したがって、障害年金を申請する際は、必要な書類をしっかりと揃えておかなければなりません。
障害年金申請時の重要書類である「診断書」は障害の部位によって種類が異なり、高次脳機能障害は「精神障害の診断書」を使用します。
しかし、失語症であれば「音声又は言語機能の障害の診断書」、身体麻痺であれば「肢体障害の診断書」というように、症状ごとに必要な診断書が異なります。
症状によって必要な診断書が異なることを知らない結果、必要な書類が準備できず、受給確率が低下することも、受給が難しいといわれる理由の1つといえるでしょう。
高次脳機能障害で障害年金を申請する際は、症状をしっかりと見極めて、必要な診断書を準備・提出することが大切です。
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高次脳機能障害で障害年金を受給するために必要なこと
高次脳機能障害で障害年金を受給するために必要なことは次の3つです。
- 症状を特定する
- 医師とコミュニケーションを取る
それぞれ詳しく解説します。
症状を特定する
高次脳機能障害の症状は多岐にわたるため、どのような症状が出ているのか、自身で把握していない方も少なくありません。
しかし、症状によって診断書が異なることから、必要な申請書類を準備するためには、自身の症状を的確に把握しておく必要があります。
医師とコミュニケーションを取る
医師とコミュニケーションを取ることも、高次脳機能障害で障害年金を受給するためには重要です。申請書類の1つである診断書は、医師に作成してもらわなければなりません。
そのため、コミュニケーションをしっかりと取っていないと実際の症状よりも軽度な内容で作成されてしまいます。診断書は障害年金の可否および等級決定の肝となる重要な書類です。
実際の症状に即した内容で診断書を作成してもらうためには、医師とのコミュニケーションをしっかりと取り、実際の生活状況などを詳しく伝える必要があります。
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高次脳機能障害 障害年金 難しいでよくある質問
「高次脳機能障害 障害年金 難しい」でよくある質問は次の3つです。
- 高次脳機能障害の障害認定基準とは?
- 障害年金を受給する条件ってあるのですか?
それぞれ詳しく解説します。
高次脳機能障害の障害認定基準とは?
高次脳機能障害の障害認定基準は、日本年金機構の「第8節/精神の障害」に記載されています。
高次脳機能障害については下記記事で詳しく解説しておりますので、こちらをご確認ください!
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障害年金を受給する条件ってあるのですか?
障害年金の受給条件(要件)は次の3つです。
- 初診日の特定
- 年金保険料の納付状況
- 障害の状態
障害が重篤で障害年金の受給確率が高くても、初診日が不明だったり、年金保険料を納付したりしていない場合、障害年金は受給できません。
詳細については下記記事をご覧ください。
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まとめ
高次脳機能障害は重症度合いが客観的に判断しにくい他、症状が多岐にわたることから必要に応じて複数の診断書を用意する必要があります。このような理由もあり、高次脳機能障害で障害年金を受給するのが難しいと感じる方は少なくありません。
しかし、脳血管疾患の罹患者数が多い日本では、高次脳機能障害関連の障害年金申請数も多く、事例も豊富なことから受給ハードルはそこまで高くありません。そのため、しっかりと準備さえ行っておけば、受給できる可能性は十分にあります。
鳥海社会保険労務士事務所は、千葉県流山市を中心に高次脳機能障害に関わる障害年金申請代行業務を行っています。
書類作成に自信がない、医師とのやりとりが上手くいっていなくて悩んでいるのであれば、専門家の意見などを交えながら、一緒に障害年金の受給を目指しませんか?
障害年金の受給を検討されている方はお気軽にご相談ください!