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障害年金コラム

原発性アルドステロン症とは?障害年金を受給する際のポイントについて解説します!

原発性アルドステロン症 障害年金
鳥海謙一郎
監修者
鳥海社会保険労務士事務所
鳥海謙一郎
一般企業に勤務しながら社会保険労務士の資格を取得。資格取得後は企業顧問や労務管理などの一般的な社労士業務を経験。社労士業務を経験後に独立、鳥海社会保険労務士事務所を開業。現在は企業顧問や障害年金申請代行など、法人・個人問わず幅広い案件に対応。
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原発性アルドステロン症とは?

一般社団法人日本内分泌学会によると、「原発性アルドステロン症」は次のように定義されています。

副腎からアルドステロンが自律的に過剰分泌される病気

引用:一般社団法人日本内分泌学会-原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症の症状

原発性アルドステロン症の主な症状は、アルドステロンの過剰分泌による「血圧上昇」です。

健診などで高血圧を指摘されたことがきっかけで発見されるケースが多いですが、低血圧気味の方だと血圧上昇が認められても、原発性アルドステロン症と診断されないことがあります。

原発性アルドステロン症のリスク

原発性アルドステロン症の治療をしないと、「虚血性心疾患」や「脳卒中」といった高血圧関連の合併症の発症リスクがあります。

原発性アルドステロン症の怖い点は、一般的な高血圧治療のみを行っただけでは高血圧関連の合併症リスクは抑えられない点です。

したがって、原発性アルドステロン症による血圧上昇の場合、合併症リスクを抑えるためには、アルドステロンの過剰分泌に対する治療を行わなければなりません。

原発性アルドステロン症の原因

原発性アルドステロン症のタイプは大きく次の2つに分けられます。

  • アルドステロンが左右両側の副腎全体で過剰分泌されるタイプ
  • 副腎腫瘍が原因となるタイプ

「左右両側の副腎全体でアルドステロンが過剰分泌されるタイプ」は近年、新しい遺伝子異常が報告されているものの、現時点で原因は分かっていません。

「副腎腫瘍が原因となるタイプ」は近年、KCNJ5などの遺伝子異常が腫瘍内に存在することが確認され、少しずつではあるものの原因が明らかになりつつあります。

原発性アルドステロン症のタイプがどちらか診断するためには、副腎静脈サンプリング検査が欠かせません。

原発性アルドステロン症による高血圧症で障害年金の受給は可能?

高血圧がみられるだけでは障害年金の受給対象外です。したがって、原発性アルドステロン症によって、高血圧になっただけでは、障害年金の受給は難しいでしょう。

しかし、高血圧が原因による腎臓疾患や脳、心臓といった病気を患った場合は障害年金を受給できます。

また、高血圧性網膜症や悪性高血圧症といった場合も条件・基準に該当するのであれば、障害年金の受給が可能です。

鳥海所長
日本年金機構の認定基準などを見ても理解するのが難しいかもしれません。

高血圧症による障害年金受給を検討している方は、1度社会保険労務士へご依頼することをおすすめします。

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高血圧症の障害認定基準

ここでは高血圧症の障害認定基準についてみていきましょう。

日本年金機構の障害認定基準に記載されている「第17節 高血圧症による障害」によると、「悪性高血圧症」の定義は以下のとおりです。

障害等級障害の状態
1級
  • 高い拡張期性高血圧(通常最小血圧が 120mmHg 以上)
  • 眼底所見で、Keith‐Wagener 分類Ⅲ群以上のもの
  • 腎機能障害が急激に進行し、放置すれば腎不全にいたる。
  • 全身症状の急激な悪化を示し、血圧、腎障害の増悪とともに、脳症状や心不全を多く伴う。
2級
  • 1年内の一過性脳虚血発作
  • 動脈硬化の所見のほかに出血
  • 白斑を伴う高血圧性網膜症を有するもの
3級
  • 頭痛、めまい、耳鳴、手足のしびれ等の自覚症状
  • 1年以上前に一過性脳虚血発作のあったもの
  • 眼底に著明な動脈硬化の所見を認めるもの

引用:日本年金機構-障害認定基準「第17節 高血圧症による障害」

認定基準は高血圧症の症状が身体のどこに出ているかで違う

高血圧症の障害認定基準について解説しましたが、高血圧によって各部位に障害が出ている場合は、該当部位の認定基準で障害年金の受給可否が下されます。

例えば、高血圧によって心臓に障害が出ている場合は心疾患の認定基準腎臓に障害が出ている場合は腎機能の認定基準脳卒中などで麻痺といった機能障害が出た場合は身体疾患の認定基準が適用されます。

また、高血圧症の障害認定基準が適用される場合も、症状によって循環器疾患の診断書を使用したり、眼の障害用診断書を使用したりする必要があるため、注意が必要です。

原発性アルドステロン症と診断された日が初診日となるのか?

原発性アルドステロン症による高血圧が原因で脳梗塞や脳出血、心疾患、腎疾患などを発症した場合、初診日は原発性アルドステロン症と診断された日となるのかについてです。

結論からいうと、原発性アルドステロン症と診断された日は初診日として認められません。

日本年金機能の認定基準だと、脳梗塞・脳出血と高血圧は相当因果関係無しとされているからです。

鳥海所長
したがって、原発性アルドステロン症による高血圧が原因だとしても、初診日は脳梗塞や脳出血と初めて受診された日、心疾患や腎疾患の場合は異常や数値の低下が見られた日となります。
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まとめ

原発性アルドステロン症はアルドステロンの過剰分泌によって、高血圧を引き起こす疾患です。治療しないと心疾患や脳疾患、腎疾患といった病気を引き起こすリスクがあるため、しっかりと治療しなければなりません。

ただし、高血圧が見られるだけでは、障害年金の受給対象外です。また、日本年金機構の認定基準だと「脳疾患と高血圧は相当因果関係無し」とされています。

したがって、原発性アルドステロン症の高血圧が原因だとしても、初診日は脳疾患と初めて受診された日となるため、原発性アルドステロン症を発症しただけでは、障害年金の受給は難しいでしょう。

ただ、日本年金機構は「高血圧症による障害」として、高血圧症の認定基準も設けているため、初めて受給申請する方はややこしいと感じやすいです。自身で判断して失敗するリスクも高いため、お悩みの方は障害年金に強い社会保険労務士に相談することをおすすめします。

鳥海所長
鳥海社会保険労務士事務所は、千葉県流山市を中心にうつ病に関わる障害年金申請代行業務を行っています。

書類作成に自信がない、医師とのやりとりが上手くいっていなくて悩んでいるのであれば、専門家の意見などを交えながら、一緒に障害年金の受給を目指しませんか?

障害年金の受給を検討されている方はお気軽にご相談ください!

参考文献

一般社団法人日本内分泌学会-原発性アルドステロン症
日本年金機構-障害認定基準「第17節 高血圧症による障害」

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