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障害年金コラム

人工透析の年間医療費はいくら?自己負担と障害年金で「実質負担」を徹底解説

人工透析 年間 医療費
鳥海謙一郎
監修者
鳥海社会保険労務士事務所
鳥海謙一郎
一般企業に勤務しながら社会保険労務士の資格を取得。資格取得後は企業顧問や労務管理などの一般的な社労士業務を経験。社労士業務を経験後に独立、鳥海社会保険労務士事務所を開業。現在は企業顧問や障害年金申請代行など、法人・個人問わず幅広い案件に対応。

人工透析は、一度始めると生涯継続が必要な治療です。「これから毎月いくらかかるのか」「生活はどう変わるのか」——こうした不安を抱える患者さんやご家族は少なくありません。

この記事では、年間医療費の全体像から、自己負担を大幅に減らせる公的助成制度、さらに多くの方が見落としている障害年金との組み合わせまで、まとめて解説します。

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人工透析について

人工透析とは、腎臓の機能が低下し、体内の老廃物や余分な水分を自力で排出できなくなった場合に、機械や専用の液を使って代わりにろ過を行う治療です。

大きく2種類あります。

  • 血液透析(HD):週3回・1回約4時間、医療機関に通院して行う。国内の透析患者の約9割が利用。
  • 腹膜透析(CAPD):お腹の中に透析液を入れ、自宅で行える方法。通院は月1〜2回程度。

どちらも腎臓の機能を代替するものであり、治療をやめることは基本的にできません。

人工透析の年間医療費

血液透析の場合、1回あたりの医療費は約3万円です。標準的な週3回・月12回で計算すると、月額約40万円、年間では約480万円にのぼります。

腹膜透析の場合も、月額30〜50万円程度と同水準です。

「480万円」という数字に驚かれる方も多いと思います。しかし実際の自己負担額は、公的助成制度によって大幅に圧縮されます。

自己負担は「月1万円」まで下がる——特定疾病療養受療制度

人工透析が必要な「慢性腎不全」は、厚生労働省が定める特定疾病に指定されています。この制度を利用すると、窓口で支払う金額が1か月あたり原則1万円(一部の方は2万円)に抑えられます。

年間480万円の医療費が、年間12万円(月1万円×12か月) の自己負担になるということです。

上位所得者は月2万円

70歳未満で、以下のいずれかに該当する場合は、自己負担上限が月2万円になります。

  • 国民健康保険加入者で、基礎控除後の総所得が600万円を超える方
  • 社会保険加入者で、標準報酬月額が53万円以上の方

申請手順(3ステップ)

  1. 主治医に「特定疾病療養受療証交付申請書」へ記載・捺印してもらう
  2. 加入している健康保険の窓口(健保組合・協会けんぽ・国保など)に申請する
  3. 交付された「特定疾病療養受療証」を毎回の受診時に提示する

申請した月の初日から適用されます。透析開始後すみやかに手続きをしましょう。

さらに自己負担を減らす「重度障害者医療費助成制度」

人工透析を受けている方は、身体障害者手帳(腎臓機能障害) の交付を受けることができます。多くの場合、1級または2級に認定されます。

手帳を取得すると、都道府県・市区町村独自の重度障害者医療費助成制度を利用できます。特定疾病制度後の残った自己負担をさらに軽減でき、地域によっては自己負担がほぼゼロになるケースもあります。お住まいの窓口で確認しましょう。

「収入」を補う——透析患者は障害年金を受給できる可能性がある

通院による仕事への影響や体力的な制約から、透析後に収入が減少するケースは少なくありません。そこで重要になるのが障害年金です。

「仕事をしているから」「症状が軽いから」と諦めている方も多いですが、これは大きな誤解です。

人工透析は原則「2級」に認定される

日本年金機構の認定基準において、人工透析を実施している慢性腎不全は、原則として2級に認定されます。

透析自体が「腎臓機能を人工的に代替している状態」であり、日常生活に著しい制限があると判断されるためです。

「初診日」の落とし穴——糖尿病が原因の場合は特に注意

透析の原因が糖尿病性腎症の場合、初診日は透析開始日ではなく、糖尿病で初めて医療機関を受診した日になります。

糖尿病から透析に至るまで10〜20年かかることも多く、当時のカルテが廃棄されているケースもあります。専門の社会保険労務士への相談が有効です。

人工透析の特例

通常、障害年金の申請には「初診日から1年6か月後」を待つ必要があります。

しかし、人工透析を開始した場合は、開始から3か月を経過した日が障害認定日となる特例があります。

透析を始めたら、早めに申請の準備を進めましょう。

💬 人工透析の医療費・障害年金に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 仕事をしていると障害年金はもらえませんか?

仕事をしていること自体は、受給の絶対的な妨げにはなりません。

重要なのは「どのような配慮を受けながら働いているか」です。

短時間勤務・単純作業のみ・職場のサポートがある場合は、「労働能力に著しい制限がある」とみなされ、受給を継続できるケースが多くあります。

Q2. 透析を始める前の医療費は特定疾病制度の対象ですか?

対象外です。特定疾病療養受療証は人工透析の開始後に申請できる制度です。

透析前に行うシャント手術などには適用されません。

透析開始後、速やかに申請しましょう。

Q3. 更新時に「働いていること」をどう伝えればよいですか?

「フルタイムで働いています」とだけ伝えると、症状が改善したと判断されるリスクがあります。

診断書や「病歴・就労状況等申立書」には、受けている配慮(短時間勤務・指示は一度ずつ・頻繁な休憩など)を具体的に記載することが重要です。

実態を正確に伝えることが継続受給のポイントです。

Q4. 障害年金と就労移行支援は併用できますか?

はい、併用可能です。

障害年金で生活基盤を確保しながら、就労移行支援で働くための準備を進めることは非常に有効です。

Q5. 申請を自分でするのは難しいですか?

初診日の証明・診断書の取得・申立書の作成には専門的な知識が必要です。

特に糖尿病が原因の場合、初診日の特定が複雑になるケースが多いため、障害年金専門の社会保険労務士への相談を強くおすすめします。

多くの事務所で初回相談は無料で受け付けています。

まとめ——まず「無料相談」から始めよう

  • 人工透析の年間医療費は約480万円だが、特定疾病制度で自己負担は月1〜2万円に抑えられる
  • 身体障害者手帳を取得すれば、重度障害者医療費助成制度でさらに軽減できる可能性がある
  • 人工透析を受けている方は障害年金2級以上に原則認定され、年間78〜249万円を受給できる

「自分は障害年金をもらえるのか」「申請の手続きはどうすればいいのか」——まずは専門家への無料相談から始めてみてください。

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